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「AI人材に転職したいけれど、プログラミングはやったことがない」「営業や事務の経験しかなくて、AIの仕事に就けるのか不安」という人は多いのではないでしょうか。

この記事では、エンジニア以外も含めた「AIを使える人材」への転職について、職種の例、求められるスキル、未経験から実績を作る進め方、資格や学び直しの制度、職務経歴書でのアピール方法をまとめます。内容は2026年10月27日時点の国の公式情報などをもとにしています。

エンジニアとしてAIを開発する道は未経験からAIエンジニアになる方法で詳しく解説しているので、この記事では開発以外の入り口を中心に紹介します。

オフィスでノートにメモを取りながらノートパソコンを使う人
AI人材への転職は、今の仕事の経験とAI活用を組み合わせるところから始められます。(写真:Shixart1985 / CC BY 2.0)

「AI人材」とは?エンジニアだけではない

「AI人材」という言葉に決まった定義はなく、求人ごとに意味が違います。大きく分けると、AIを作る人とAIを使って仕事を変える人の2種類があります。

前者はAIエンジニアやデータサイエンティストなどで、プログラミングや数学の知識が必要です。後者は、ChatGPTなどの生成AIを業務に取り入れる企画・マーケティング・営業・事務・バックオフィスの担当者で、今の仕事の経験がそのまま強みになります。未経験からの転職で現実的に狙いやすいのは、後者です。

なお、この記事の職種名や仕事内容の説明は、筆者による一般的な整理です。同じ名前の職種でも、会社によって仕事の範囲は違うので、応募するときは求人票の業務内容を必ず読んでください。

国の調査でみる、デジタル人材の不足

「そもそもAIやデジタルの人材は求められているのか」は、転職を考えるうえで気になるところです。国の機関であるIPA(情報処理推進機構)の調査で、企業の人材不足の状況が公表されています。

調査分かったこと
IPA「DX白書2023」(2023年2月公表)DXを推進する人材の量が「大幅に不足している」と答えた企業は、日本で49.6%(米国は3.3%)
IPA「DX動向2025」(2025年6月公開)日本企業の85.1%が、DXを推進する人材の不足を感じている(2025年10月公開のIPAの論文での紹介)
IPA「DX動向2024」の論文人材不足は一層深刻化している。特にビジネスアーキテクト(DXの企画・推進役)とデータサイエンティストの不足感が高い

DXとは、デジタル技術を使って仕事や事業のやり方を変えることです。IPAの調査は、AIだけでなくデジタル人材全体の不足を示すもので、AIの求人数や年収を示す数字ではありません。

求人の数や年収については、国の公式な数字を確認できなかったため、この記事には書きません。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、500を超える職業について、仕事の内容や必要なスキル、賃金、有効求人倍率などが掲載されています。気になる職種の最新の数字は、そこで自分の目で確かめましょう。

AI人材の職種の例

AI関連の職種を、「開発寄り」から「活用寄り」の順に並べました。未経験からの転職では、下のほうの職種が入口になりやすいです。

職種の例仕事のイメージ未経験からの入りやすさ
AIエンジニア・機械学習エンジニアAIのモデルやシステムを開発・運用するプログラミングの学習が必須で、ハードルは高め
データサイエンティストデータを分析し、ビジネスの課題解決に生かす統計やデータ分析の学習が必要。経験者が有利になりやすい
AI導入コンサルタント・DX推進担当企業の課題を聞き取り、AIの導入計画を立てる業界や業務の経験が武器になる。コンサルや企画職の経験者が向きやすい
生成AI活用の推進担当社内でChatGPTなどの活用ルール・研修・事例づくりを担う社内異動や、事務・企画系の経験者から入りやすい
プロンプト設計・AI運用の担当業務に合ったプロンプト(AIへの指示文)や自動化の仕組みを整えるまず実績づくりが先。職種名は会社ごとに違う
企画・マーケティング・営業・事務など(AI活用が前提)今の職種のまま、生成AIで資料作成・分析・提案を効率化する最も入りやすい。AI活用の実績がアピール材料になる

プロンプトやAI活用の専任職は、会社によって職種名がばらばらです。「プロンプトエンジニア」という名前だけで探すより、「生成AI」「DX推進」「業務改善」「AI活用」といった言葉も組み合わせて検索すると見つかりやすくなります。

求人の傾向をつかむコツ

求人の件数や年収を示す公式の数字は載せられませんが、求人票の読み方のコツは押さえられます。

「AI」の意味を募集要項で確かめる

求人票にある「AI」は、機械学習モデルの開発を指す場合もあれば、生成AIを業務で使うことを指す場合もあります。必須スキルにプログラミング言語や機械学習の記載があるかで、開発職か活用職かを見分けられます。

「AI活用経験歓迎」の求人は未経験者にもチャンスがある

通常の企画・営業・事務の求人に「生成AIの活用経験歓迎」と書かれていることがあります。AI専門職ではない分、競争相手との差をつけやすく、AI活用の実績が加点になりやすい求人です。

探し方の幅を広げる

  • 転職サイトで「生成AI」「DX」「業務改善」「データ活用」などの言葉で検索する
  • ハローワークインターネットサービスや、job tagで職種の条件を調べる
  • 今の会社で、AI活用の担当や推進役に手を挙げられないかも検討する

求められるスキル

AI人材に求められるスキルは、職種によって違います。ここでは、非エンジニアの職種で共通して役に立つスキルを整理します。

スキル内容身につけ方の例
生成AIを使いこなす力ChatGPT・Gemini・Claudeなどで、目的に合った答えを引き出す。プロンプトを工夫する毎日の仕事で実際に使う。ChatGPTの仕事での活用例が参考になる
業務を分解して改善する力仕事の手順を細かく分け、AIに任せる部分と人がやる部分を決める今の仕事の流れを書き出し、AIで置き換えられる所を探す
情報の見極め・確認力AIの答えが間違っていないかを、公式の資料などで確かめる数字や固有名詞は必ず出典を確認する習慣をつける
ルールとリスクの知識個人情報・機密情報・著作権の扱い。会社のAI利用ルールを守る社内ルールを読み、入力してよい情報を理解する
データの基本表計算でのデータ整理、グラフ化、簡単な集計Excelやスプレッドシートで、自分の仕事のデータを分析してみる
伝える・巻き込む力AI活用の効果を、周りの人に分かりやすく説明して広める社内で小さな勉強会や、手順書づくりをやってみる

開発職を目指す場合は、これに加えてPythonなどのプログラミングや、機械学習の基礎が必要になります。その場合はAIエンジニアになる方法の記事を参考にしてください。

未経験からの進め方5ステップ

ステップ1:今の仕事でAIを使って、実績を作る

転職で最も評価されやすいのは、「AIを使って、仕事で成果を出した」という具体的な経験です。資格や講座の修了よりも、実際に使った実績のほうが、面接では説得力があります。

たとえば、次のような取り組みが実績になります。会社のルールで使えるAIを確認したうえで、小さく始めましょう。

  • 会議の議事録づくりに生成AIを使い、作成時間がどれくらい短くなったかを記録する
  • 営業メールや提案書のたたき台をAIで作り、チームに共有する
  • 問い合わせ対応のよくある質問の回答案をAIで整理し、社内マニュアルにする
  • Excelの集計作業について、AIに関数や手順を聞いて効率化する

このとき、「Before(導入前)」と「After(導入後)」を数字で残しておくことが大切です。「毎週2時間かかっていた資料づくりが1時間になった」のように、自分の職場での実測値を記録します。

ノートパソコンで作業する女性
仕事のなかで少しずつAIを試し、記録を残しておくと、職務経歴書の材料になります。(写真:Shixart1985 / CC BY 2.0)

ステップ2:基礎を体系的に学ぶ

独学でも構いませんが、順番に学べる講座を使うと、抜け漏れが少なくなります。無料の公式ヘルプや動画、書籍、スクールなど選択肢はいろいろあります。スクールの選び方は生成AIスクールおすすめ比較で紹介しています。

ステップ3:資格で基礎知識を示す

資格はあくまで補助的なアピール材料ですが、未経験の場合、「基礎を体系的に学んだ」ことの証明になります。次の章で詳しく紹介します。

ステップ4:ポートフォリオ(成果物)にまとめる

実績を、他の人に見せられる形にしておきます。後の章で、非エンジニア向けのポートフォリオの例を紹介します。

ステップ5:応募先を選び、職務経歴書でアピールする

AI活用が前提の求人から応募する、転職エージェントに相談する、今の会社で異動を相談するなど、複数の道を並行して考えましょう。職務経歴書の書き方は、後の章で解説します。

転職に役立つ資格

資格がなくても転職はできますが、基礎知識の証明として役立ちます。生成AI向けの資格を、公式サイトで確認できた内容でまとめます。比較の詳細は生成AI資格の比較記事をご覧ください。

資格主催概要(公式サイトより)
G検定日本ディープラーニング協会(JDLA)受験資格なし。一般13,200円(税込)。AI・ディープラーニングの基礎知識を問う多肢選択式
生成AIパスポート生成AI活用普及協会(GUGA)受験制限なし。オンライン受験で60問60分。11,000円(税込)。年5回(2・4・6・8・10月)
データサイエンティスト検定 リテラシーレベルデータサイエンティスト協会受験制限なし。CBT方式で100問100分。10,000円(税抜)
E資格日本ディープラーニング協会(JDLA)JDLA認定プログラムの修了が受験資格。開発・実装寄りで、エンジニア向け

試験の日程や料金は変わることがあります。受験前に、各団体の公式サイトで最新の情報を確認してください。

資格は「持っていれば採用される」ものではありません。資格と、実際の活用実績をセットで示すことで、はじめて説得力が出ます。

ポートフォリオの作り方(非エンジニア向け)

ポートフォリオとは、自分のスキルや実績を見せるための成果物のことです。エンジニアならプログラムを載せますが、非エンジニアは「仕事を変えた記録」を見せます。

成果物の例盛り込む内容
AI活用の事例レポート(A4で1〜2枚)課題→使ったAIとプロンプト→結果(Before/After)→気づき
業務効率化の手順書AIを使った手順を、他の人が真似できるよう画面の例つきで整理
プロンプト集仕事の種類ごとに、うまくいったプロンプトとその使い方を整理
社内勉強会の資料同僚にAI活用を教えたときの資料と、参加者の反応

会社の機密情報や個人情報は、成果物に載せないことが重要です。社名や数字をぼかす、架空の例に置き換える、社内で公開の許可を取るなど、守秘義務に配慮しましょう。

学び直しの制度を使う

講座の費用は、国の制度を使うと軽くできる場合があります。ここでは公式サイトで確認した制度の概要を紹介します。詳しい手続きはリスキリング補助金×生成AIの記事で解説しています。

経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」

在職中に、転職を目指して対象講座を修了すると、受講費用(税別)の1/2相当(上限40万円)が補助される制度です。さらに、この事業の転職支援などで転職し、同じ転職先で1年続けて働くと、追加で1/5相当(上限16万円)が補助され、合計で最大56万円になります。ただし、直接の補助対象は個人ではなく講座を提供する事業者で、補助額や受講料、受付状況は事業者・講座ごとに違います。申し込む前に、公式サイト(careerup.reskilling.go.jp)で確認してください。

厚生労働省「教育訓練給付制度」

雇用保険の制度で、指定された講座を受講・修了すると、費用の一部が給付されます。給付の種類は3つです。

種類給付率と上限(厚労省ページより)
専門実践教育訓練50%(年間上限40万円)。資格取得等+修了後1年以内の雇用で70%(年間56万円)、賃金が5%以上上がると80%(年間64万円)。令和6年10月以降開講の講座
特定一般教育訓練40%(上限20万円)。資格取得等+修了後1年以内の雇用で50%(上限25万円)
一般教育訓練20%(上限10万円)

対象になるかどうかは、雇用保険の加入期間などの条件と、受講する講座が指定を受けているかで決まります。申請はハローワークで行い、講座は厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で探せます。

なお、シンプルAIアカデミーは、この記事で紹介した制度の対象講座としては扱っていません。制度を使いたい場合は、対象講座かどうかを各制度の公式サイトで確認してから申し込んでください。

職務経歴書でのアピール方法

未経験の職種への転職では、職務経歴書で「これまでの経験が、AIの仕事でどう生きるか」を伝えることが重要です。

書き方の基本の型

  • 課題:どんな業務上の課題があったか
  • 取り組み:どのAIをどう使ったか(ツール名とやり方)
  • 成果:どう変わったか(時間・件数・品質などをできるだけ数字で)
  • 広げた範囲:自分だけでなく、チームや部署にどう広げたか

職務経歴書の書き方の例(架空の例です)

【取り組み】営業部の提案資料づくりに、生成AIを活用。過去の提案書を整理し、業種別のたたき台をAIで作る手順を整備しました。
【成果】資料作成にかかる時間が、1件あたり約2時間から約1時間に短縮(自部署での実測)。同じ手順を他のメンバー4名にも共有し、チーム全体で活用しています。
【今後】この経験を生かし、貴社でも業務へのAI導入を推進したいと考えています。

やってはいけない書き方

  • 「ChatGPTが使えます」だけで終わる(使って何をしたかが伝わらない)
  • 根拠のない数字や、実際より大きな成果を書く(面接で必ず聞かれます)
  • 会社の機密情報や、取引先が分かる情報を書く
  • AIが何でもできるかのような大げさな表現を使う

志望動機では「なぜその会社でAIを使いたいか」を書く

「AIに興味がある」だけでは弱くなります。これまでの業務で感じた課題と、AI活用でそれをどう解決したいかを、応募先の事業と結びつけて書きましょう。

面接では、AIの限界やリスクの理解も見られます。間違った答えを出すことがあること、個人情報の扱いに注意が必要なことを自分の言葉で説明できるようにしておくと、信頼されやすくなります。

学びの第一歩に:シンプルAIアカデミー

何から学べばよいか迷う人は、生成AIの基本から実務での使い方までを順番に学べる講座で、土台を作る方法もあります。

月額3,980円(税込)で学べるシンプルAIアカデミーは、入会金0円で、全19コース・310レッスンがあります。7日間の無料トライアルがあり、期間内に解約すれば料金はかかりません(申し込みにはクレジットカードの登録が必要で、無料期間のあとは月額3,980円(税込)で自動更新されます。無料トライアルは初回のみ、1人1回です)。

シンプルAIアカデミーを7日間無料で試す

講座を受けるだけで転職が決まるわけではありません。学んだことを今の仕事で使い、実績にしていくことが転職の土台になります。

AI人材への転職に関するよくある質問

Q:文系・プログラミング未経験でもAI人材に転職できますか?

開発職は学習のハードルが高いものの、生成AIを活用する企画・営業・事務・DX推進などの職種なら、文系の人も応募できます。今の経験にAI活用の実績を足すことが近道です。

Q:資格は取ったほうがいいですか?

必須ではありませんが、基礎知識の証明になります。ただし、資格だけで採用が決まるわけではないので、活用の実績とセットで示しましょう。

Q:年齢が高くても転職できますか?

年齢別の公式な数字は確認できなかったため、可否は断言できません。非エンジニアのAI活用職では業務経験が評価される場面もあるので、経験を生かせる業界・職種で、AI活用の実績を示すことが大切です。

Q:転職しないで、今の会社でAI人材になる方法はありますか?

あります。会社のルールを確認したうえで、小さな業務改善から始め、成果を上司やチームに共有しましょう。社内で推進役になれれば、社内異動や転職の際の大きな実績になります。

まとめ:今の仕事でAIを使うところから

  • AI人材は、AIを作る人だけでなく、AIを使って仕事を変える人も含まれる
  • IPAの調査では、日本企業のデジタル人材の不足が示されている(年収や求人数は公式な数字を確認できなかったため、job tagなどで最新を確認)
  • 未経験の入口は、AI活用が前提の企画・営業・事務・DX推進などの職種
  • 最も評価されるのは、今の仕事でAIを使った実績。Before/Afterを数字で記録する
  • 資格・ポートフォリオ・学び直しの制度は、実績を補強する材料
  • 職務経歴書は「課題→取り組み→成果→広げた範囲」の型で書く

まずは今週の仕事のなかで、1つだけAIに任せてみて、その結果を記録するところから始めてみてください。

※記事内の情報は2026年10月27日時点の、IPA(情報処理推進機構)、厚生労働省、経済産業省、各資格の主催団体の公式サイトの内容です。制度・試験の内容や料金は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
※写真の出典:Shixart1985「Business professional engages in note-taking during a meeting at a modern office desk」ほか1点(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)。